治験バイトというものを知っているだろうか?
新薬を投与され、体調にどのような影響があるかを検査されるバイトのことだ。
もしかしたら、高額な報酬がもらえる「裏のバイト」というイメージを持っている人もいるかもしれない。
治験に参加したら、謎の副作用に悩まされたとか、口外しないようにと口止め料を渡されたなど、都市伝説的なものと結びついて、ちょっとアングラ的な情報として広まっているという側面もあるようだ。
実際のところ、治験のバイトとはどうようなものなのだろう。
治験を実施している機関によれば、治験とは、医療技術の発展の為に広く協力者を募って行われていて、どちらかと言えばボランティア的な色彩が強いという前提があるようだ。
バイト代は、そのお礼として支払われるもので、正式には「協力費」と呼ばれている。
どちらかと言えば、バイトとか仕事というより献血とかに近いのかもしれない。
もちろん献血ではお金はもらえないのだが。
いろいろと謎の多い治験のバイトだが、その内容を体験談を交えて、詳しく紹介していこうと思う。
治験っていくらくらいもらえるの?
治験のバイト代の相場だが、内容や検査回数、拘束される期間などによって違ってくる。
相場は、1泊で2万円くらいと言われている。
一泊の治験で24時間程度の拘束と考えると、時給800円程度の換算となる。
また、これは一例だが、より長期になれば高額な報酬が支払われる治験もある。
治験:2泊
協力費:40,000円
治験:12泊+1回通院
協力費:210,000円
治験:10泊を3回(30泊)
協力費:551,000円
ちなみに、もらう側からするとバイト代という感覚かもしれないが、治験は、労働とは見なされないので、報酬は治験への「協力費」という名目で支払われる。
ほぼ1ヶ月以上に及ぶ長期の治験では、50万円を超える報酬が支払われる場合もある。
検査や診察の時間だけでなく、寝てる間も、本読んでる間も発生すると考えるとなかなか割のいいバイトと思われるかもしれない。
ただし、当然それだけで判断するのは危険だ。
次に、治験に参加する場合のデメリットについても紹介していこう。
治験のデメリット
ネットで見つかる治験についての情報をみると、どうも良いことしか書かれていない気がする。
治験のデメリットについては、あまり語られていないことが多いようだ。
募集している機関側からすると、治験が怖いものというイメージが広まっても、応募者が集まらなくなってしまうので、ネガティブな情報を極力出さないというのは、当然かもしれない。
しかし、治験の経験者の話を聞くと、みなさんそれなりに辛い体験をしているようだ。
体験者が実際にどのような点を大変だと感じたか紹介していこう。
副作用が辛い
まずはじめに言われるのが、副作用についてだ。
副作用の症状がでるかどうかは、まちまちなのだが、ちょっとだるくなるという程度のものから、下痢が続いたり、風邪を引いた時のような熱が下がらなくなったりという症状もあるという。
特に辛いのが、精神的な症状が現れる場合だ。
人によっては、不安な気持ちにとらわれるようになって、しばらく治らなかったということもあったらしい。
治験は病院で行われるので、辛い症状があれば当然対処はしてもらえるのだが、解消されるとは限らないし、副作用が起きたことによって保障などがある訳でもない。
その点は、自己責任と割り切る必要がある。
また、途中でリタイヤすることになれば、当然報酬は支払われなくなるし、払われても一部ということになる。
検査が辛い
次によく言われるのが、検査が辛いというもの。
血液検査は、どのような治験でも必ず行われる検査だ。
しかも1時間おきなど、頻繁に検査されるため、慣れていない人にとっては辛い体験となる。
1泊程度の短い治験であっても、10〜20回程度の採血があり、同じところに何度も注射の針をさすため、あざが残る場合もある。
薬の副作用よりも、この採血の多さが辛いという人が多いのもうなずける。
自由がないのが辛い
自由がないことが辛いという人も多いようだ。
病気でもないのに、病院のベットで一日中寝て過ごさなくてはならないというのは、想像以上に辛いと感じる人が多い。
本を持ち込んだり、スマホやノートパソコンを持ち込んで、暇つぶしはできるのだが、それでも外出ができなかったり、行動範囲が制限されることが苦痛になってくる。
当然、治験の最中は喫煙や飲酒はできないし、食べ物も用意されたものを食べなくてはならない。
・アルコールの摂取をしてはいけない
・タバコを吸ってはいけない
・治験以外の薬を飲んではいけない
・カフェイン(コーヒーやお茶)を摂取してはいない
・激しい運動をしてはいけない
以上のように日常生活では、特に禁止されていないような事も自由に行えなくなる。
長期の治験になればなるほど、この自由が効かない生活を強いられるということが一番の苦痛となるようだ。
もし、あなたが初めて治験をやろうとしているなら、より短期の治験を選ぶべきだろう。
治験ってどうやったら申し込めるの?
では実際に治験の申し込み方法を見ていこう。
治験サイトから申し込む
治験の申し込みは、治験の募集サイトから応募できる。
サイトに登録すると、治験の情報が閲覧できるようになので、そこから自分に合いそうなものを見つけて応募する。
期間や、地域、どこの病院でやるかなどを基準に選ぼう。
特にどこの病院での治験かは、治験中に過ごす快適さに関わってくるので注意が必要だ。
また、期間が長ければそれだけ、バイト代も高くなるが、負担も大きくなるので、初めての方は日帰り〜1泊程度のものを探した方がいいだろう。
事前検査を受ける
治験をするには、事前の検査が必要になる。
内容は健康診断と変わりないが、血圧や心電図などを調べて異常がないかチェックされる。
ここで異常が見られた場合、当然治験は受けられない。
事前検査では、交通費が支給される場合もある。
合格したら治験へ参加する
事前検査を受けてから数日〜1週間程度で合否の連絡が来る。
合格すれば、治験へ参加することができるようになる。
治験の参加は、希望者が多いため、人気のある治験だと倍率が高くなる。
応募して、健康に問題がなかったからと言って必ずしも治験に参加できるとは限らない。
合格率は、50〜60%程度と考えておこう。
実際に治験の前に、注意事項の説明などがある。
前日に、食事などについて指示がある場合もあるようだ。
治験の前に暴飲暴食をして、当日の血液検査で治験を断られるというケースもあるので、前日の体調管理には十分注意しよう。
バイト代を受け取る
治験が終われば、バイト代がもらえる。
支払い方法は、まちまちなのだが、後日銀行振込ということが多い。
治験が終わった時に、手渡しで現金をもらえるというパターンもある。
また、事後検査まで含まれている治験の場合は、事後検査が終わるまでバイト代がもらえないという場合もある。
自分の都合で途中で治験を中断したり、治験が受けられない状況になった場合はバイト代はもらえないので、初めから負担の大きそうな治験の応募は控えるようにしよう。
治験はバイトとして割がいいのか?
副作用があることや、拘束時間が長いことからも、必ずしも割がいいバイトとは言えないのだろう。
また、治験は一度受けると、その後二、三ヶ月は受けることができなくなる。
これは、前回の治験の影響が体から完全に消えてからでないと、正しい検査ができなくなるためだ。
なのでそもそも仕事として継続的に受けて、収入を得るということは望めない。
暇な時の臨時収入くらいに考えるなら悪くないのかもしれない。
また、治験もピンキリあって、副作用のリスクが大きいものや、体への負担が大きいものの方がよりバイト代も高くなる。
薬の種類も、「新薬」の治験と、「ジェネリック薬」の治験があるのだが、新薬の方が副作用が出やすいとされていて、その分報酬も高くなる。
しかし、リスクや体への負担を考えると、ジェネリックなど治験を受けた方が割がいいと考える人が多く、実際こちらの治験の方が人気があるようだ。
軽めの治験であれば、人生経験として一回くらいやってみてもいいかなと思うが、これを生活の糧とするのは正直無理があると思う。
とは言え、このような仕組みがあることで、医療技術の進歩があり、病気で困っている人たちを救う一助になっているのも事実だ。
動機がどうであれ、このような活動が世の中の役に立つのであれば、否定されるようなことではないだろう。
治験への参加を希望している人は、どんなデメリットがあるのか、本来の趣旨がどのようなものなのかをしっかり理解した上で、よく検討してみてほしい。