無職からの転職で正社員はおろか派遣の仕事さえ見つからないという現実

無職からの転職
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私は、大学を卒業してから5年ほど人事や採用に携わる仕事をしていた。

その後、一度転職をして、別の会社で社員教育や研修などの担当もさせてもらったのだが、色々あってその会社も退職し無職になった。

甘く見ていたつもりはなかったが、転職活動は思うように運ばなかった。

私が退職したこの頃は、ちょうど不景気も重なっていて、しかも、前職をたったの1年で辞めている。
世間から見たら傷物だろう。

年齢も中途半端で第二新卒にもかからない28歳だ。
そして、既婚者でもある。

面接では必ず聞かれる。
「子供は考えていますか」

いい歳だし、既婚者だし、そりゃそうだ。
すぐに出産や育児で辞めてしまうのではないか、産休育休で休まれてしまうのではないか、企業としては心配になるのは当然だ。
その辺を気にされて、門前払いとなることも多かった。

今は子供より仕事のことしか考えられないのに。

やっと漕ぎ着けた面接では、「自分が何がやりたいのか見えてない」と言われて落とされた。
そのことが原因で、夫とも言い争いになって夫婦関係が険悪になったりもした。

でも、その時の私は、もう何がやりたいとかどうでもよくて、自分は必要のない人間なんじゃないかと思うと怖くて、早くまた社会と繋がりたいと必死だった。

私が無職になってから、再就職をすべく転職活動をした体験談をご紹介したいと思う。

無職になったワケ

新卒で入社した企業では、順調にキャリアを積むことができた。
でも、「自分の力を試す新たなチャレンジ、そして人の可能性を広げる仕事がしたい」そう思って転職を決意した。
新たな企業で新しいことにチャレンジできることにもワクワクしていた。

幸いなことに、転職は上手くいき、すぐに内定がもらえて入社が決まった。

しかし、上手くいったと思われたこの転職が地獄への始まりだった。
勤務して1年ほど経った頃、会社が潰れそうになったのだ。

これはマズいと思った私は、その前に退職を決意した。
そして私は無職となった。

退職を決意した理由は他にもあった。
年収が前職とくらべて100万円以上も低かったからだ。

やっぱり無職期間が長びけば転職には不利

転職活動をはじめてみて、改めて思い知らされた。
転職は慎重に行わなければならないということを。

簡単にすぐ内定がもらえて入社したが、もっと慎重に、よく調べて考えてから転職すれば良かったと後悔した。

しかも、次の勤務先が決まっていない状態で退職することに追い込まれて、結局無職となってしまった。
転職するなら、在職中に転職活動をするほうが有利だと思う。
それは、辞めてから転職活動を行うと無計画でだらしのない人間だと思われるからだ。

しかも、無職の期間が長くなればなるほど不利になる。
転職活動をしていたとしても、なかなか次の勤務先を決められないということは、企業から求められている人材ではない、ということはあまり質の良い人間ではないと判断されかねない。

私自身、最初の勤務先で人事や採用の担当をしていたこともあり、その点については熟知している。
無職の期間が長い人は、「なぜすぐ仕事に就かなかったのか」と気になる。
だが、当時は社内のゴタゴタがあったりして、そこまで考えが及ばなかった。

とにかく、期間が空いてしまうと印象は悪いだろうと、私はすぐに転職活動を始めた。
会社に辞表を提出し、離職までの1ヶ月で転職先を決めてやろうと思った。

引継ぎ用の手順書などを作っているフリをしながら、転職サイトのエントリーシートを入力したり、営業や下請けに挨拶回りと言いながら、転職エージェントの登録面談や企業の面接に行っていた。

こうやってコソコソ活動するのは企業側は全てお見通しだったのだろうか。
どこにも受からなかった。

書類が通っても面接で全滅した。
そして、あっという間に1ヶ月が過ぎ、転職先が決まることなく退職日を迎えることになった。

正直、すぐに決まるだろうと高をくくっていた自分が恥ずかしい。

無職期間が長いと自分は必要のない人間のように思えて不安。。

前職を辞めたものの、上司や同僚とは仲が良かったため時々会っていた。
仕事の相談をすると、知り合いの企業を紹介してくれて、面接させてもらうこともあった。

しかし、企業側の社長さんからは、
「自分がどうしたいのか、何がやりたいのか、まだ君には見えていないようだね・・」
とその場で断られてしまった。

それならと次の面接では、やる気を見せたのだが、独立するのがいいんじゃないかと提案されてしまった。
でも、さすがにそれは・・・。

どれも前職と同業種だった。
当時の私は、もう二度とこの業界では働きたくないとどこかで思っていたんだと思う。

でもせっかく上司たちが紹介してくれた企業だから、そんなことも言えず・・。
あいまいな態度ばかりとっていた。

そして、夫もこんな私に嫌気がさしていたのだ。
どうしたいのか、何がやりたいのかハッキリしないことを問いただされた。

「それが分かっていたら、こんな苦労しないわ!!」
と私は逆ギレしてしまったのだが・・。

夫は小さい頃からの夢を叶え、自分のやりたかった仕事をやっていて、毎日生き生きと順風満帆の生活を送っている。
それに引き替え私はと思うと暗い気持ちになった。

転職に失敗し、今は無職となってしまった。
自分で決めた人生だけど、あまりに惨めだ。

この時の私は、もう何がやりたいとかどうでもよくて、自分は必要のない人間なんじゃないかと思うと怖くて、早くまた社会と繋がりたいと必死だった。
無職5日目でもう焦りは限界を迎えようとしていた。

派遣ならすぐに仕事が見つかると思っていたのが間違い

もう何でもいいから、働かなければという気持ちから片っ端から派遣に登録した。
無職でいればいるほど、不安に押しつぶされそうになる。

とりあえず派遣会社の短期の事務職に応募した。
派遣は繋ぎのようなものと考えていて、いずれ正社員で働きたいと思っていた。
派遣社員であれば、すぐに決まるだろうと高を括っていた。
しかし、面白いほどに書類選考が通らない。

派遣なんて登録すればすぐに仕事が決まると思っていた。
応募すればキャリアや経歴がなくても誰でも受かるくらいに思っていた。

正直、私は派遣をなめていた。

派遣でやるなら事務くらいがちょうどいいなんて思っていたから事務職を希望したけど、私には事務の経験はない。
事務経験者と経験なしの人が応募すれば、そりゃ経験者を採用するに決まっている。

そんな当たり前のことにも気づかずに応募を続けていた。

なんとか短期派遣のアシスタント業務に滑り込む

私はお構いなしに応募を続けていたのだが、社員が2人という小さな会社から営業アシスタント職で内定をもらうことができた。
1ヶ月間という短期ではあるが、仕事が決まったことにとりあえずホッとした。

私はそこで新規テレアポをしつつ、社長達が営業などで外出している時にオフィスでの電話や来客の対応の仕事をすることになった。
言われた仕事さえこなしていれば、あとは自由気ままにやることができた。

短期の仕事だったため、相変わらず転職活動は平行して続けていた。
オフィスで1人の時は、こっそり転職サイトを見てエントリーしていた。

自由だし、比較的仕事は楽しかった。
ただ給料は下がり、ボーナスが出ないのが悩ましい。

この仕事の契約が切れる前に転職先を決めなければならない。
しかし、ここでもまた書類選考がことごとく通らなかった。

やっとの思いで見つけた派遣先

とある休日、私は日々の疲れをお酒で癒しながら、またも転職サイトをチェックしていた。
そこでたまたま目に止まったのが大学職員の募集だった。

とても魅力的に感じた。
業務内容は人事や就職担当者を対象とした講座を運営することだった。
学生向けではなく社会人相手の仕事だった。

人事を相手にする仕事ならこれまでの経歴も生かせるし、大学なら企業のようにそう簡単には潰れないだろうし・・安定感に惹かれた。
ただ雇用形態は、また派遣だった。

できれば正社員で働きたい。
さっそく問い合わせてみた。
すると、1年以上勤務すると直接雇用の採用試験を受けられるとのことだった。

1年だけ派遣。

1年だけなら我慢できる。そう言い聞かせるように派遣会社へ出向いた。
後日、大学の人事の方と派遣先の担当者と面談を行った。

その結果、すんなりと採用が決まった。

正社員を目指してさらに転職活動は続く

派遣での仕事が決まった今でも、正社員で働きたいと思っている。
でも、派遣の仕事も簡単に見つかるとは限らないけど、正社員の仕事のほうがもっと見つかりづらいというのが正直な印象だ。

無職のほうが時間が取れて、転職活動がうまくいくという人もいるが、私には向かないと思った。
無職でいるプレッシャーと、いつ決まるともわからない転職のハードルに追い詰められて、正しい判断が出来なくなってしまう。

今は、派遣の仕事が出来るようになって、無職から脱出出来たので、以前より心の余裕が持てるようになった。

転職成功の難易度は、年齢や業種、性別、地域によっても変わってくるので、私の経験だけでは一概には言えないかもしれない。

でも、もし退職を考えている人や、いずれ転職の可能性があるという人は、無計画に退職という決断を急がずに、まずは在職中に転職活動をしてみて、転職市場での自分の価値を見極めてから方針を決めても遅くないと思う。

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