僕の前職はブラック企業だった。
当時、会社を辞めたいと思ったことは一度や二度ではない。
今では転職してホワイトな職場で働けているが、今思い返しても当時の状況は異常だったと感じる。
「会社を辞めたい」という悩みに対して、
「嫌だったら辞めればいい」という人がいる。
もっともな話だけど、僕はそれだけだと無責任な発言だと感じる。
ネットの有名人やメディアに露出している言論人にもそんなことを言う人も多い。
辞めたくてもそう簡単に行かない事情もあるし、辞めたくても辞められないからこそ悩んでいるという人も多いはずだ。
「会社を辞めたい」と思ったときの対処は、択一ではなくその人の状況や希望によって違うはずだ。
今回は、会社を辞めたいと考えている理由や、希望によってどう対処すればいいか、ケース毎に紹介していきたいと思う。
自分自身の状況や考えを整理して、正しい選択ができる手助けになれば幸いである。
あなたが会社を辞めたいと思う理由は?
まず、あなたが会社を辞めたいと思っている理由を改めて考えてみてほしい。
本当に辞めたほうがいいケースなのか、辞める必要がないケースなのかが考えられる。
会社を辞めたいと思う理由は大きくわけて以下の4つに分類される。
・人間関係
・やりがい
・お金
・ワークライフバランス
それぞれ詳しくみていこう。
辞めたい理由=人間関係 「パワハラ、セクハラが原因で会社を辞めたい」
会社を退職する理由で一番多いのが人間関係のトラブルだ。
原因には上司からのパワハラ、同僚からの嫌がらせなどの被害が上げられる。
あなたが受けた被害が、特定の個人に問題があるのか、会社全体が悪いのかによって対処方が違ってくる。
ある特定の個人に問題がある場合
もし、会社自体は問題なく自分の周りにいる特定の個人に問題がある場合は、会社に報告してその人を辞めさせる、または異動させることが出来る。
このケースではあなたが会社を辞める必要は一切ない。
具体的な対処方だが、まず、あなたが受けた被害を具体的に記録してほしい。
何月何日に何々の件でどのようなことを言われたということをメモしたり、メールの内容の保存、可能であれば会話を録音してもいい。
ある程度溜まったら記録内容を会社の人事や、経営の責任者に直接通報しよう。
記録自体が証拠になり会社側が適切に対処してくれるはずだ。
このとき、直属の上司などには相談せず直接、人事や経営責任者に連絡することが必要だ。
会社の上司は、部下の監督に責任を負う立場にあるため自分の失点にならないように、問題を握りつぶされてしまうことも考えられる。
会社自体に問題がある場合
一方、会社全体に問題があってブラックな職場になってしまっている場合は別だ。
この場合は、簡単には改善させられないかもしれないので、退職を選択肢に入れていいだろう。
ただし、残業代の未払いや、サービス残業、勤務時間外の業務や過労などの疑いがある場合は、労働基準監督署に訴えることができる。
方法は、個人の場合と同じく、まずは受けた被害を記録しておくことだ。
実際に残業をした時間を、エクセルやメモ帳に記録しておくだけでも立派な証拠となる。
残業の記録と給料明細を持って、労働基準監督署に訴えることで会社側には適切なペナルティが課されるのと、未払いの残業代があれば支払われる。
泣き寝入りしてしまう人が少なくないが、労基署はこのようなブラック企業対策には力を入れているので、相談すれば意外と丁寧に対応してくれる。
辞めたい理由=やりがい 「仕事にやりがいが無い、やりたい仕事が出来なくて会社を辞めたい」
次は、仕事にやりがいを感じられない、やりたい仕事や部署に就けないなどの理由で会社を辞めたいと思っている場合だ。
この場合は、まず以下の3つの点について考えてみてほしい。
・転職すればやりたい仕事ができるのか
・転職したらまたやりたくない別の仕事をさせられないか
・今いる会社で別の仕事ができないか
やりがいに関しては人それぞれなので、判断が難しい。
そもそも転職すれば事態が改善するとは限らない。
もちろん、好転するかどうかわからないからこそ転職してみるという選択肢があるので、もし今の職場では今後もやりがいのある仕事に就くことができないようであれば、転職を検討されるのがいいだろう。
転職活動は退職せずともすることはできる。
転職サイトへ登録して求人を見てみたり、転職エージェントでも退職前に転職の相談を受けてもらうこともできる。
自分自身の市場価値を知り、自分の進みたいキャリアなどに合わせた転職先があるか調べることで、転職すべきかどうかの判断がつくだろう。
辞めたい理由=お金 「給料や待遇に不満があって会社を辞めたい」
給料や待遇に不満がある場合は、会社に留まるより転職した方が手っ取り早い。
その時、考えておいてほしいのは、今と全く別の業界へ転職するつもりがあるかということだ。
今と同業の他社へ転職した場合、同程度の給与待遇になることが多い。
よっぽど業界内でアドバンテージの高い上位の会社へ転職するなら別だが、やはり同業種内の転職だと、給料は上がりづらい。
儲かっている業界を狙って転職を考えてみよう。
儲かっている業界の探し方は色々あるが、例えば、既得権益を持っている業界などだ。
既得権益を持っている業界とは、ガス、電気などのインフラ関係や、大学などの教育系などが上げられる。
これらの業界は新規参入が無く競争が激化しづらいことから、安定して給料が高くなる傾向にある。
このように、業界事態の置かれている状況を見据えて転職先を選ぶことが重要だ。
ネットの転職サイトでも、求人情報の統計を元に、業界別の給与水準などのデータが見られるのそういった情報を活用するものいいだろう。
辞めたい理由=ワークタイムバランス 「プライベートの時間を増やすために仕事を辞めたい」
残業が多かったり、休日出勤や、時間外労働など仕事に取られる時間が多くて辛い、辛いまで行かなくてもプライベートの時間が犠牲になっていて不満という悩みもあるだろう。
もちろん、やりがいや給料などに見合った環境であれば長時間労働も必ずしも悪いことではない。
多少大変でも、仕事を通して自分のスキルやキャリアが形成されるというメリットはそれに勝る場合もある。
しかし、健康や精神を害するほどの残業や長時間労働を課されているのなら、早めに転職を検討した方がいいだろう。
いくら給料が増えたり、出世しても体を壊したのでは元も子もない。
そこまで行かないまでも、もう少し自分の時間を増やしたいという希望があるかもしれない。
給料も上がらず、仕事だけ増えて、先輩や上司を見ても今後、上向いていく希望が見込めない。
だったら、仕事はあくまで生活の糧と捉えて、自分の自由な時間を充実させるという考え方もあるだろう。
また、結婚や出産などで、生活習慣が変わったという場合も当てはまる。
親の介護などの都合で家に戻りたいという場合もあるだろう。
今までは、長時間を働けたが徐々に家庭へ使う時間を増やしたい、もっと家の近くで働きたいと思っている場合は、ワークライフバランスの変化が必要だ。
もし、会社に留まりたいけど家庭の事情で続けられないという場合は、会社に一度相談してみるといいだろう。
会社によっては、時短勤務を容認してもらえたり、家に近い職場へ転籍させてもらえる可能性もある。
しかし、残念ながらこのような対処を取ってもらえる会社は、まだ少数派なもの事実だ。
もしダメな場合は、転職を決断してにいいだろう。
一番良くないのは生活習慣が変わって、仕事と家庭の板挟みになってもそのままにしてしまうことだ。
いずれどこかにしわ寄せが来て、トラブルや事故の元にもなるので、早めに対処を考えよう。
自分の辞めたい理由に応じた転職について、プロのアドバイスが聞いてみたい場合は、転職エージェントなどのサービスを使うのもいい。
転職エージェントは、面談の調整や、自分の希望条件の交渉も任せられるので、相談してみるのもいいだろう。