企業はどのような人材を求めているのでしょう。
これを分からずに就職活動・転職活動をしている人が多くいます。
就職・転職活動では、企業が求めている人物像を理解して、自分を上手にアピールできるかどうかが成功の近道です。
そのためには、まずは、様々な手段を使って、その企業の求人ニーズを把握していきましょう。
これは、応募する企業や業種などによって異なる場合がありますので、企業の情報を個別にリサーチし見つけ出していく必要があります。
多少手間は掛かりますが、そうすることによって、企業の求人ニーズに合った適切な方法で自分のアピールをすることができるようになります。
もし下調べをせず、求人情報だけを見て転職活動をした場合、いくらあなたに経験や能力があったとしても応募企業の求人ニーズとかけ離れてしまい、面接官には”この人は違う”と感じられてしまうかもしれません。
ですから、転職活動を行う際、まずは、応募したい企業の求人ニーズついて理解しておく必要があるのです。
では、ここから企業のニーズを把握するためのポイントや、どうすれば自分が会社にとって適切な人材であるとアピールできるか、などについて解説していきたいと思います。
企業のニーズと自分の得意分野がマッチしているか
誰でも、得意なもの、苦手なものがあるはずです。
自分の経験やスキルをもう一度見つめ直してみて、客観的に自分がどのような人材なのか把握しておきましょう。
その上で、応募する企業の求める人物像に自分の得意分野がマッチしているのかどうか考えてみてください。
- これまでの経験やスキルから、「自分は何が得意か」、「どのようなことがやれるのか」
- これから、「どのような職場で」、「どのような業務に携わり」、「どのように仕事をやっていきたいか」
- 応募企業は「どんな人材を必要としている」と思うか
まずは、イメージや印象といった漠然としたものでもいいので、こららのポイントについて意識するようにしておきましょう。
志望企業がどのような人材を求めているのか?
中途で採用を考えている企業には「このような仕事ができる人が欲しい」というハッキリとしたビジョンがあります。
自分がそれに当てはまることができれば、採用してもらえる確率もアップします。
その企業のことをよく調べて、採用でどういう人材を求めているのか知る必要があります。
それぞれ、職種や業界によって求められる人物像の傾向があります。
企業が求める人物像の傾向は5つのパターンに分類できます。
自分が転職したい業界や職種、もしくは自分の得意分野がなにかによって取るべき対策も変わってきます。
企業が求める人物像 | どのような業種に多いか |
---|---|
積極性 | 営業、事務系、技術系、金融系、医療系、広告・企画系 |
柔軟性 | 技術系、広告・企画系 |
外向性 | 営業、販売系 |
緻密性 | 技術系、金融系 |
気配り、目配りができる | 販売系、事務系 |
企業のニーズは求人情報や公式サイトにかかれている
企業のニーズ、採用で求める人材はどのようにして知ることができるでしょうか。
ハローワークの求人情報は一部の決められた項目のみ掲載されており、なかなかどのような企業なのかを詳しく把握することは難しいのですが、転職サイト(リクナビ、マイナビなど)に掲載されている情報は、事業内容や会社の規模から募集の背景、業務内容、どのような人を対象とした求人かなど様々な情報を知る手がかりになります。
求人情報には、いろいろな項目があるかと思います。
特に以下の2項目については、企業側のニーズがよく表れます。
- 募集している仕事の内容
- 求める人材
これらの情報から、企業がどのようなニーズを求めているのかを読み取ることができます。
また、求人情報や公式サイトには社員の写真が掲載されていることもあります。仕事についてコメントされていることもあり、この情報は参考にできるものです。写真から社員の雰囲気やコメントから社風などもイメージすることができます。
例えば、「社員の笑顔の集合写真が掲載されているなら、社内は和気あいあいとした和やかな雰囲気の職場で、そのような雰囲気を好んで仕事のできる人」を求めていると捉えることができますし、「やる気にあふれている熱い営業マンなら同じように仕事に対して熱く真面目に仕事をする人」を求めていると考えられます。
同業者から話を聞いてみる
もし、求人情報やサイトからでは情報が少ない場合、同じ業界や職種で働いている友人や家族、親戚などから話を聞くことも参考になります。
その希望企業の業界の体質やどのような性格の人が多いか、どのような仕事をする人が求められているかを聞いてみましょう。
前述でもお伝えした通り、業界が同じであれば、求める人物像も類似しています。
また、サービス系の業種であれば、店舗に行くことで働いている社員の方々を間近で観察することができます。
ですから、より分かりやすく求める人物像が見えてくるはずです。
コミュニケーション能力は万能スキル
業界によって求めるニーズは違いますが、どのような業種や職種でも共通して求められるスキルがあります。
それは、「コミュニケーション能力」です。
営業職や販売職といった外部の人やお客様と接する職業だけでなく、社内で仕事だったとしてもコミュニケーションが不要な仕事はありません。
顧客はもちろんのこと、社員同士でも適宜コミュニケーションを取り、業務を進めていかなければなりません。
1人で黙々と作業する時間の長い仕事もあるでしょうが、トラブルが発生した時や分からないことがあった時にきちんと上司などに相談できるか、良い方法がある場合にきちんと提案できるかなど、その都度上司や同僚とコミュニケーションを取らなければなりません。
そのため、人とのコミュニケーションをきちんと取ることができるかを重視する企業は多いです。
とりあえず、どのような職種であっても、どのような業界であっても、コミュニケーション能力をアピールすることは、転職活動での有効な方法と言えるでしょう。
企業は積極性のある人材を求めている
他にも共通するニーズはあります。
企業の採用担当者に求めている人物像を聞くと、必ずトップ3に以下のような要素が入ってきます。
どのような業界や職種であっても、以下のような能力のあることがアピールできれば良い評価を得ることができます。
- 自主性---人から指示を受ける前に自ら率先してやることができるか
- 主体性---自分の意志や判断で責任を持って行動することができるか
- 向上心---常に目標などを設定し、それに向かって努力し尽力することができるか
新卒の新人であれば一から手取り足取り指導してくれるかもしれませんが、中途採用者にはこれらが求められています。
ですから、細かな指示はないと考えたほうが良いでしょう。
自らどのように動いたら良いのかを考え、自主的に行動する、もちろん勝手に行動してはいけませんが、きちんと上司に報告や相談をし、社内でのコンセンサスを得た上で、実行する力が必要です。
入社後、仕事の流れ等の説明はあるでしょうが、もし細かな指示や指導がなければ、あなたを試していると考えてみましょう。
自ら率先して行動する、より良いやり方の提案、常に上を目指して努力をするといった積極性を見せてみましょう。
企業はあなたのやる気を見たいのです。
年齢による求人のニーズとは?
求人のニーズを考える場合、年齢の要素も欠かすことができません。
企業の求めているニーズは年齢によっても違います。
実務経験の浅い20代、様々な経験を積んで知識もあるであろう40代では求めることも変わってきます。
それぞれどのようなニーズを求められているのでしょう。
20代
- やる気、意欲
- 人間性
- 将来性
- 明るく元気
できないことや、やったことのないことでも、とりあえずやってみるというチャレンジが大切です。
様々な経験を積むことが今後に繋がるので、何でもやってみるという姿勢で挑みましょう。
企業側は、これから将来的に貢献してくれる人材を求めています。
30代
- 実務経験
- 成功体験や今までの成果
- やる気、意欲
- 人間性
- 将来性
ある程度、実務経験があるであろう30代は、やる気や人間性に加え、将来性を考え、上に立つことのできる人を求めています。
気配りや周囲を見て状況判断できる人、効率的に仕事を進めることができるというのは大事です。
コミュニケーション能力も必要とされます。
40代
- マネジメント力
- 専門的知識とスキル
- 部下をまとめる力、指導力
- 管理職の役割ができる
- 今までの経験に加え、新たな業務フローに対応する柔軟さ
- 新たな仕事への抵抗のなさ
企業側は40代になると、責任ある仕事も任せたいと考えていることが多く、様々なことを求めています。
中間管理職的な役割もあります。
このように、それぞれの年齢にも合わせたニーズでアピールをする必要があります。
企業ごと、年齢ごとに合ったニーズを確認し、上手にアピールしましょう。
面接では志望動機を聞かれたときがアピールのチャンス
転職活動をする際、自分が、”その企業の求める人材に合致しています”といったアピールをする必要があります。
面接中も採用側の目線を忘れずに、会話の中から、どのような人を探しているのかさらに読み取っていきましょう。
例えば、積極性のある人、柔軟性のある人、外交的な人など、職種によっても求める人物像は違いますが、その人物像を想定して、自分の経験や性格を織り交ぜて話せるのが理想的です。
応募企業側が積極性のある人を求めているなら、「自分が積極的に前向きに業務を進めるタイプ」であること、正確性とスピードを求めている業種であれば、「1つ1つ丁寧に作業し、日ごろから正確性とスピードを重視し業務を行ってきた」ということを伝えるようにします。
面接では、志望動機を聞かれたときがアピールのチャンスです。
志望動機を聞かれた時は、企業の求める人物像に近づけた言い回しを使い、自分がどのようなことをして会社に貢献していけるのか、今までこのようなことをやってきた自分だからこそできることは何かを伝えていきます。