現在、転職には第二新卒という枠があります。
第二新卒とは、高校や大学を卒業後、一度就職したものの短期間(2年前後)で転職を考える、または転職をすることです。
この第二新卒が年々増加しています。
この原因の1つとして、新卒者の求人数が少なくなっていることや就職活動期間が短期になっていることなどが挙げられ、最終的に就活で自分の希望する企業や職種に就くことができないために、転職を考えてしまうようです。
ただ、この第二新卒の増加に伴い、企業側の第二新卒の採用ニーズも増えています。
むしろ、この第二新卒を積極的に採用しようとする企業も多くあるようです。
それは、ポテンシャル採用を考える企業が多いからです。
中途採用の場合、キャリアを求める場合もありますが、第二新卒は社会経験が浅いことで柔軟性に優れていたり、企業風土にも染まりやすく、教育すれば新たな能力を発揮し、大きな成長を期待できます。
また、一度企業に就職していることで社会人としての経験があり、一般常識的なビジネススキルはあるでしょうし、企業側としては新卒を採用するよりも良さを感じるようです。
これがポテンシャル採用です。
さて、この第二新卒者が転職をする時、職務経歴書はどのようなことに気を付けて書けば良いのでしょうか。
上手な職務経歴書の書き方を教えます。
第二新卒の職務経歴書でよくある失敗4選
まずは、第二新卒が職務経歴書を書く時によくやってしまう間違いについて見ていきましょう。
第二新卒は、前職を短期間で辞めているわけですから、またすぐに辞めてしまうのではないかというイメージを持たれています。
それを踏まえて、第二新卒の場合の職務経歴書の書き方の注意点を覚えておきましょう。
1.業務内容の項目が短い
短期間で辞めたとしても、自分が担当していた業務内容を分かりやすく書かないと採用担当者には伝わりません。
どのようなことをやってきたのか、それがどの程度できるのか、どのくらいのレベルをこなせるのかなど、具体的に書く必要があります。
例えば営業なら、実績が分かる数字などを盛り込むようにしましょう。
2.自己評価やスキル紹介が抽象的
前職での経験や培ったスキルなどを盛り込む際、抽象的な表現にならないようにしましょう。
以下のように、経験やスキルを箇条書きで書くと見やすくなりますが、
- 協調性
- コミュニケーション能力
- 営業スキル
どのようにして、またはどのような業務の中で身に付けたのか具体的に書くほうが、採用側としてはイメージしやすいです。
例えば、
「常にチームワークを意識して、同僚などとコミュニケーションを取りながら〇〇の業務を遂行してきました。このようにコミュニケーション能力、協調性を活かして御社に貢献したいと思っております。」
営業スキルなら
「常に明確な目標を数字として掲げ、業務を進めてきました。営業で伺った際には、お客様が抱えている課題を見つけ、それを解決するために新しい提案をしていくこと、お客様が話しやすい環境を作ることを心掛け、それによって信頼関係を築くことができ、目標を達成できました。」
実際に、自分が前職で勤務していた経験をもとに、具体性を持たせて書くことによって評価もあがります。
3.変に見栄を張っている
前職での業務は短期間だったはずなので、自己PRで見栄を張って書きすぎるのは良くありません。
自分をよく見せるために、様々なことを書いてアピールしたい気持ちは分かります。
しかし、自信のあることだけを書いたほうが良いでしょう。
自分を客観的に見られない人だと思われてしまいます。
採用側も履歴書によって第二新卒だということは分かっています。
自分が出来る人間だとアピールしすぎて勘違いな奴だと思われないようにしましょう。
4.具体性が無く人物像が伝わらない
第二新卒ですから、経験は浅いはずです。
その中でも、勤務していた時の状況を使って具体的に自己アピールしましょう。
トラブルが起きた時はどのように対応したのか、お客様が困っていた際にはどのように動いたのか、具体的なエピソードを交えながら書くと、あなたの人柄や人物像が伝わりやすく、相手に自分をアピールすることができます。
抽象的でふんわりとした書き方では、採用担当者には意欲が伝わりません。
だからといって、長所ばかりを並べていてもなんだコイツと思われてしまいますし、第二新卒が書く職務経歴書は低姿勢な感じで、でも意欲や仕事に対して真面目で前向きに取り組むことが伝わるような書き方を目指してみましょう。
職務経歴書を見て、この人はこういう人なんだなとイメージが膨らむようにするのが、第二新卒の良い職務経歴書を作るコツです。
第二新卒が上手に職務経歴書を書くためのポイント4選
以上、第二新卒の転職でよくある、ダメな職務経歴書の書き方を見てきましたが、以上を踏まえて、正しい職務経歴書の書き方をみていきましょう。
まず、基本についてですが、これは第二新卒に限らずどのような転職においてもそうですが、職務経歴書は、A4サイズの用紙で1枚から2枚程度にまとめるのが良いとされています。
それ以上長くなると採用担当者も敬遠してしまうようです。
また、職務経歴書は、履歴書とともに提出するものです。
履歴書と合わせて読まれるということを意識して、情報を盛り込んでいく必要があります。
では実際に、ポイントおさえて上手な職務経歴書の書き方を解説していきたいと思います。
1.表と項目を上手に使う
職歴は、勤務期間、企業名、企業規模(従業員数等)、資本金などを書き、そのあと、どのような部署でどのような業務を遂行してきたかを記入します。
これは、文章化して書くよりも、箇条書きや表を使って書いたほうが見やすくなります。
その方が、余計な情報が減って短時間で多くの情報を伝えることができます。
また、この時、『5W1H』で書くとより伝わりやすくなりますので意識してみましょう。
職務経歴書もある意味ビジネス文書といえます。
見やすく相手に伝わるフォーマットで書くことで、このような書類を上手に作成する能力もある人なんだと採用担当者の評価が得られます。
営業職なら達成率、利益など具体的な数字で表せるものがあれば取り入れてみましょう。
よりどのように自分が仕事をしてきたのか分かりやすく伝えることができます。
そして自分が作成した職務経歴書を客観的に見てみましょう。
自分が採用担当者だったら、この職務経歴書を書いた人を採用したいと思いますか。
そう考えると修正点が出てきますよね。
何度も取捨選択しながら、無駄がなくて読みやすい職務経歴書を作っていきましょう。
2.職種が同じなら活かせる能力をアピール
業種は違えど、職種が同じなら、活かせる能力はたくさんありませんか。
今までの経験からどのような知識や能力を活かすことができるのかまとめましょう。
機械的なスキルだけでなく、人としてのスキルなどもあれば具体的に書きます。
また、社会人としてのマナーやルールなども学んであることが分かると良いです。
例えば、社内研修で
- ビジネスマナー講習
- 新人研修
などを受けたなら是非書きましょう。
これだけでも、社会人としての基本的なスキルが備わっているとという印象を与えることができてプラスに働きます。
3.学んだことを抽出して書く
自己PR欄を上手に使い、今まで実際に学んできたこと、やってきたことを中心に盛り込んで、どのように応募企業で働きたいのか、どのように貢献したいのかを書きましょう。
今までの経験の中で、応募企業でも使えそうな内容を抽出して書きましょう。
前職ではどのような気持ちで仕事に取り組んできたか、前向きで積極的な表現を使い書きましょう。
実際に前職であったことを例として挙げ、具体的に書くようにしましょう。
そうすることで、どのような人間で、どのような姿勢で仕事に取り組んでいる人なのか採用担当者にも伝わります。
4.前職を辞めた理由は必要ない
職務経歴書には前職を辞めた理由は特に書く必要はありません。
企業側としては、それも知りたい情報の1つですが、それよりも職務経歴書で仕事に対する意欲を見せる必要があります。
企業側は、仕事に対する姿勢ややる気のほうが知りたいのです。
ただ面接では、なぜ辞めたのか聞かれるでしょうから、ネガティブな表現にならないよう、プラスになるような理由で考えをまとめておく方がいいでしょう。