35歳独身の女美容師が異業種への転職した体験談ブログ

美容師転職
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美容師として働き始めて15年。
気がつけば35歳になっていた。

人並みに、結婚して子供を産んで、明るい家庭を築きたいと、漠然と考えていた。
でも、振り返れば仕事に追われる毎日で、そんな余裕はなかった。

仕事はそれなりに楽しいし、充実した日々を送ってはいたが、このままでは仕事だけの人生で終わってしまう。
そんな風に将来に不安を感じるようになって、転職を決意した。

美容師をやっていた私が異業種へ転職するまでの過程を、ここでまとめてみようと思う。

なぜ転職を考え出したのか

美容師は「手に職がある」。
よく言われることだ。

確かに一生働くことができる。
ましてや今は美容師不足の時代だから、すぐに雇ってもらえるだろう。

しかし美容師の世界は厳しい。
『給料が安い、残業代が出ない、休みがとれない、ボーナスも退職金もない、福利厚生がない、社会保険の加入がない』

全てのサロンが同じではないが、こういったサロンが多いのは事実。
昇給し、給料が上がっても年収は一般的な企業に勤める同級生より低い。

美容師が稼ぐには、独立してお店を出すか、あるいは業務委託型サロンで個人事業主として完全歩合制で働くといったことが挙げられる。

私は今35歳。自分でお店を出すとかは考えていない。
このまま10年20年働き続けても、大きな給料アップやキャリアアップは見込めない。

周りの同級生達は結婚し、子供を産み、仕事より家庭が第一になっていったが、私はそうはいかない。
彼氏なしの独身女。一生1人でいることは考えていないが、一生1人でいるかもしれない。

転職も一つの人生と考えるようになった。

結婚や出産をしても定年まで安定して働けて、なおかつキャリアアップもしたい。

そして、年齢的にも、転職するなら今しかないと思った。

そもそも美容師になった理由

高校卒業後、上京し都内の美容専門学校に進学したのは17年ほど前だ。
卒業後は夢見たカリスマ美容室での勤務が始まった。

アシスタントの頃は先輩スタッフのフォローや雑用ばかりをこなしながら、技術を磨いた。
それでも毎日が楽しかった。

歳を重ね、私も一人前にお客様から指名してもらえるようになった。
最初は嬉しく、緊張もしていた。

美容師を目指した理由は、カリスマ美容師に憧れたからだ。
私が高校生の頃にカリスマ美容師という言葉が日本中でとどろいていた。
テレビや雑誌でカリスマ美容師を目にする機会が増え、私はカリスマ美容室で働きたいと思うようになっていったのである。

周囲でも美容師を目指した子が多かった時代だ。

実際にカリスマ美容室で働いたが・・・

最初は自慢だった。
カリスマ美容室で働けるのは選ばれた、ほんの一握りだけ。
多くの美容師が憧れるカリスマ美容室で働けるなんて夢のようだった。

私は面接で受かると思っていなかったが、合格の電話がきた時、「やった-----!」とベットの上におもいっきり倒れこんだ。
すぐに親にも電話した。

だが実際に働き始めると、カリスマ美容師と呼ばれる先輩達の雑用ばかり。
アシスタントだから給料も安かった。

それでも先輩達の技術を盗みながら努力した。
カリスマ美容室で働けること自体がステータスだった。
それから何年か経ちスタイリストに昇格した私は新人たちの指導をする立場となった。

カットもさせてもらえるようになって給料もあがった。

けれど時代の変化もあり、美容師を目指す若者が減っていった。
それは給料が安く、休みがとれない、ボーナスも退職金もない、福利厚生がないからだ。

こんな環境で働きたいと思う若者は今どき少ない。
一般的な企業なら、こんな待遇あり得ないし、もっとしっかりとした制度が整っているだろう。

カリスマ美容室は基本的に料金が高い。
1000円カットなるものが増え始め、人気を博していったことで美容にお金をかける人が少なくなっていった。
カリスマ美容室も廃れていった。

それでも私は、15年間ここで働いた。
最終的にお店を任されるようになったが、これ以上の昇級や昇給もない。こうなると自分でお店を出すしかないが、そこまでは考えられなかった。

転職活動を始める

美容師を辞める不安は大きかった。
でも初めて無職という状態になり、時間を自由に使えることが嬉しかった。

帰省したり友人と出掛けたり楽しい日々を過ごした。
しかし、今まで少ないながらも頑張って積み立ててきた貯金を切り崩すのが惜しい。

実家なら親にも頼れるが、1人暮らしだから何かと出費が発生する。
都内の家賃はばかにならない。
早く就職しなければと気持ちだけが焦る。

求人サイトと転職サイトに登録し、毎日求人情報をチェックした。
気になる企業にはすぐに応募し、1ヶ月で5社ほど応募した。
その中で2社、web選考を通過したので書類を送った。

面接までいけるのか、この先どうなるのか・・・不安しかなかった。
しかし考えていてもどうにもならない。
自分と向き合う良い時間にもなるし、今は今で楽しむことにしようと思った。

転職先の条件

美容師から異業種への転職・・・
やはり難しい・・・!

だって美容以外の経験がないから。
パソコン苦手だし・・・

それなのにIT系の企業の事務に応募してみた。
未経験者OKだったから応募したのに、経験のない人はNGという理由で選考落ちした。

きっと年齢も関係していたかもしれない。
これが20代前半とかであればキャリア形成とかで内定がもらえたかもしれない。

35歳で業界未経験者に一から教えても、いい年齢だし結婚や出産ですぐに辞めてしまうかもしれないと思われても仕方ない。

でも、歳だけで落とされるのは悔しい。
ヤル気はある。だって生きていくために収入を得なければならないし、一般企業でのスキルも身に着けたい。

私の希望する条件が厳しすぎるのかもしれない。
自分の望み通りの企業なんてそうそう見つからないのは分かっている。
多少妥協は必要だろう。

だから希望条件を下げれば、内定がもらえる可能性はある。
しかし高望みしすぎかもしれないが、私だってもう35歳。

あまりに安月給では生活が成り立たないし、社会保険や福利厚生はしっかりしていても、それなら美容師を続けているのと変わらない。最初は年収が低くても、定年までに順調にキャリアを積んで、昇給し会社でもそれなりに高い地位に就きたい。

身の程知らずと言われるかもしれないが35歳独身女は将来が不安なのだ。

美容師の頃とは違う面接ルール

転職サイトと転職エージェント2つずつ追加で登録した。
登録のプロフィール入力は面倒だが、転職サイトごとに強い職種が違う印象を受けた。

転職エージェントでは、担当のエージェントさんがいろいろ相談にのってくれた。
私のように基本ラフな美容業界で生きてきた人間には、普通の企業のことがぜんぜん分からない。

美容業界から一般企業への転職に不安が多かったが、書類の書き方や面接のマナー、内定が決まったあとのことなど、細かく教えてくれて、とてもためになった。

やはり転職サイトを使うよりエージェントのほうがサポートが優れている。
これが無料で利用できるのだから助かる。

転職エージェントは担当した人の就職が決まれば自分の点数につながるし、就職先の企業からお金が入る。
だから必死。

書類選考を通過すれば面接を受けることになるが、美容室では一般的に私服で面接が行われている。仕事の話より、たわいもない会話で、その人の人柄などを引き出して和やかな感じで行われていることが多かった。

しかし普通の企業の面接といえば、スーツが当たり前で面接官から次から次へと質問され、手に汗握るようなイメージ。
お辞儀の角度や扉のノックの仕方まで決められていたりする。

考えただけで緊張したが、エージェントさんとの模擬面接でしっかり覚え込んだ。

最終的な転職活動の実績

転職サイト3つ、転職エージェント3つに登録し、転職活動をした。

私が実際使ってみて、異業種への転職ということから、サポート面で強かった転職エージェントが良かった。
最終的に内定がもらえた企業もエージェントからの紹介だった。

企業との間に入って交渉してくれたり、私の強みなどを企業の担当者へアピールしてくれたり、上手な履歴書や経歴書の書き方対策や模擬面接など、とてもありがたかった。

転職サイトではこうはいかない。
全て自分でこなさなければならないし、未経験、35歳というだけで選考から外す企業もあるだろう。
それなりにその業界での経験があれば、すぐに決まるかもしれない。

未経験の業界に飛び込むにはエージェントさんの力は大きかったと思う。

私は企業の業種にはそこまでこだわりはなかった。先ほどから言っている通り、未経験OKで安定して順調にキャリアを積んで定年まで安心して働ける職場を希望していた。

最終的に・・・

9社応募して、Webの選考に落ちたのは4社、書類で2社落ちて、一次面接で2社落ちた。
最後に、二次面接が通った企業1社から内定がもらえた。

応募した企業の中で第一希望だったところだった。
嬉しかった。

転職活動の期間としては2ヶ月弱だった。
これは自分としては思ったより早かったと思う。
下手したらまだ内定がもらえていない可能性もあった。

エージェントさんから内定の話を聞き、どこが決め手となったのか尋ねると、カリスマ美容室での業績や部下をまとめる等、管理職的なことが評価に繋がったとのことだった。

確かにそこは一番アピールしたところだ。

デスクワーク未経験の私には他に役立ちそうな資格等がなかったため、これだけのスタッフをまとめながら、業績アップに貢献してきたことを一番のポイントとしてアピールした。

異業種への転職で大切なのは、未経験でも今まで培ってきた経験の中でアピールできる自信のあることを前面に押し出すのが良い。
その企業で少しでも役立ちそうなこと、自分ではなかなか言いづらいものだが、自分の長所をどんどんアピールすることが内定に繋がる。

今回短期間で内定がもらえたことはラッキーだったのかもしれない。
もっと長期戦になっていたことも想定できる。

いつか必ず自分を認めてくれる企業に出会うことができる。それまで諦めずに頑張ることが大切だと改めて思った。

再就職手当

転職活動と並行してハローワークに通った。
失業保険の申請のためだ。

学校を卒業してから15年、同じ美容室で働き続けたため、失業するのは初めてだった。
まずは失業保険受給の流れやルールを学習しなければならなかった。

自己都合で退職した私は、離職後3ヶ月立たないと受給できないことを知った。
3ヶ月後・・・

そこまで無職でいるだろうか・・・それまでには仕事を決める予定ではいるから、受給することもないかと思っていた。

しかし、申請しておけば受給前に就職が決まった場合、再就職手当というものがもらえることを知った。
危ない危ない、これを知らなければ損をするところだった。
今回私はこの再就職手当を受給した。

失業保険ほどはもらえなかったが「支給残日数 × 基本手当の額 × 30%」が支給された。
要するに、すぐに就職予定でもハローワークに行って失業保険の手続きをしておくのが良いということだ。
ただ、ハローワークの登録前に就職先が決まっている場合はNGだ。

再就職手当を受給するためには、いくつか条件がある。

1、支給日数が足りていること
定給付日数の3分の1以上、かつ45日以上残っていること

2、再就職先で、1年以上の雇用見込みがあること

3、採用の内定が、「受給資格決定日」以降であること

4、ハローワーク登録初日から7日間の待機期間経過後に就業したこと

5、新たな就職先が離職前の企業やその関連事業社でないこと

6、過去3年以内に「再就職手当」「常用就職支度手当」「早期就職者支援金」を受給していないこと

7、雇用保険に加入する労働条件で働くこと

8、再就職手当の支給申請後すぐに離職しないこと

9、給付制限を受けている3ヶ月間のうち、最初の1ヶ月は「ハローワークの紹介の求人」または「厚生労働大臣が許可している職業紹介事業者の紹介求人」の就職先であること

上記9項目全てに当てはまらないといけない。
最後の「厚生労働大臣が許可している職業紹介事業者」だが、だいたい大手の転職サイトや転職エージェントなら間違いない。
厚生労働大臣が許可している職業紹介事業者であることが多い。
許可を得ていれば、各サイトに記載されている。
転職エージェントを利用していればエージェントさんに聞けばすぐ分かる。

また、「厚生労働大臣が許可している職業紹介事業者の紹介求人」という「紹介求人」でなければならないのもポイント。

自分で探して自分で応募して内定をもらった企業じゃNGということだ。
転職サイトや転職エージェントなどから応募する場合、その転職サイトや転職エージェントの担当者を介して内定をもらった企業でないといけない。

なぜなら、再就職手当を申請する際、その紹介事業者から発行された証明書を提出する必要があるからだ。
担当者を介していない就業先では証明書が発行されないので注意が必要だ。
私はたまたま内定企業がエージェント紹介だったので手続きはスムーズに済んだ。

ただ、待機期間終了から1ヶ月経過後に勤務開始なら自分で応募した企業でも問題ない。
1ヶ月以内に内定をもらうのも問題ない。

再就職手当の申請方法

1、就職が決まったら、ハローワークへ報告する

2、職業紹介事業者から証明書を発行してもらう

3、就業日前日にハローワークで最後の失業認定を受け、「再就職手当支給申請書」をもらい、申請者欄を記入しておく

4、入社

5、入社後早めに就業先に「再就職手当支給申請書」の事業主欄を記入してもらう

6、ハローワークで再就職手当の申請をする

7、問題なければ再就職手当が口座に振り込まれる

再就職手当の申請に必要な物

・再就職手当支給申請書

・採用証明書

・失業認定申告書

・雇用保険受給資格者証

・印鑑

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