現在、転職をする際に必須なのが職務経歴書です。
職務経歴書は採用に欠かせないものとなっていて、書き方もとても重要です。
職務経歴書には決められたフォーマットはありません。
職歴から自己PRまで様々なものを取り入れながら自己アピールができる書類です。
職務経歴書の作り方は、自分の現在までの働き方によって変わってきます。
例えば正社員から正社員へ転職する場合と、派遣社員から正社員を希望する場合の職務経歴書では書き方や注意点などが変わります。
通常の転職(正社員 → 正社員)とは違い、派遣社員から正社員を目指す場合、どのような職務経歴書を作成すればよいのでしょうか。
ダメな職務経歴書の書き方とは?(派遣社員から正社員編)
職務経歴書には決まったフォーマットはありませんが必須の項目はあります。
また、書き方についても気を付けなければならない点があります。
まずは、良く失敗しがちな、ダメな職務経歴書のパターンからみていきましょう。
名前と日付を書かない
意外と忘れられがちなのが職務経歴書への名前、日付の不記載です。
履歴書と一緒に出すので、名前を書き忘れる人もいるかもしれませんが、職務経歴書の右上には日付と自分の名前を入れるのが常識です。
こういったことを忘れると社会人としてビジネス文書も書けない人だと思われてしまい、マイナス評価となります。
まず、基本の形に則ったうえで、職務経歴書を作成しましょう。
職歴の羅列
ただ書き並べただけの職歴になってしまう人もいるようですが、職歴を羅列しただけでは、担当者には伝わりにくいです。
罫線や枠などを使い、表にしてみると分かりやすく、読みやすいものとなります。
勤務期間、企業名、企業の規模(従業員数や資本金など)、事業内容、自分の担当していた業務内容を分かりやすくまとめましょう。
また、このようなことを今までやってきて、これを生かして御社で正社員として働きたいという気持ちが伝わるようにすることが重要です。
スキルの少なさ
スキルはたくさんあるに越したことはありません。
ただ、志望する企業に関係のないものであれば省いても良いです。
パソコンスキルはなるべく分かりやすく、どの程度まで使いこなせるのか書きましょう。
ソフトを使用する職種も、どの程度のレベルか担当者に伝わるように具体的に書きます。
機械的なスキルがあまりないなら、前述でも書きましたが、「協調性がある」、「周囲への気配りができる」、「事務処理能力には自信がある」といったコミュニケーション部分でアピールしてみましょう。
また、クレームがあった時どう対処する能力があるか、不良品を作ってしまったあとの対策など、どのようなことでも良いので前向きに、積極的に行動できることをアピールしましょう。
そのようなことも自分のスキルとして学んできたことです。
あまりにスキルの欄が少ないと印象が悪いので、自分の実になったことをまとめましょう。
自分のスキルや長所ばかりをアピール
例えば、自己PR欄で自分の良いところやスキルばかりをアピールするだけでは良くありません。
派遣から正社員になる人は、なぜ正社員として働きたいのか、正社員になって何をしたいのか、どのように活躍したいのかなどを含めて書きましょう。
派遣から正社員という今までの働き方とは異なります。正社員になるには責任を持った行動が必要となります。
与えられた仕事だけをこなすのではなく、自ら積極的に仕事を見つけて取り組んでいかなければなりません。そしてトラブルなどがあれば原因や対策を考え、解決していく力が必要です。
正社員になる心構えもアピールしましょう。
正しい職務経歴書の書き方とは?(派遣社員から正社員編)
では、上記のようなダメな例を踏まえて、正しい職務経歴書の書き方をみていきましょう。
派遣社員で長く働いてきた人は、特に様々な企業に配属し、様々な業務を経験してきたはずです。
派遣社員は派遣社員なりに積んできた様々な経験を盛り込んだ職務経歴書を作成しましょう。
その際、以下のポイントに気を付けながら書くと良い職務経歴書に仕上がります。
業務経験を要約する
まず、業務経験をまとめましょう。
職務経歴書の基本として、ダラダラと長く書くのはいけません。
箇条書きなどにして簡潔に分かりやすく読みやすいことを意識します。
様々な業務経験があるなら、志望企業の業務と近い業務経験を長めに、時系列で書いていきましょう。
長くなりそうであれば短期間で配属した企業の業務は、経験に入れなくても良いです。
具体的な業務内容を書く
次に具体的な業務内容を書いていきましょう。
勤務先が多い場合は、ここも短期派遣のものは短文で済ませても大丈夫です。
長く勤務していたり、志望企業と関わるような業務内容のところを重要視しましょう。
企業名、部署、勤務年数なども添えて、実際に自分がどのような業務を担当していたのかまとめます。
ここでもダラダラと書くのはいけません。箇条書きにすると見やすいですね。
スキルをまとめる
新しい職場で活かせるようなスキルや知識、能力などを書きましょう。
ここも箇条書きが見やすいですね。
志望企業が知りたいであろうスキルをメインに持ってきます。
パソコンスキルが必須なら、レベルなど、どの程度使えるか分かりやすくまとめましょう。
また、使えるソフトなどがあれば併せて書きましょう。
それ以外にも「協調性がある」、「周囲への気配りができる」、「事務処理能力には自信がある」といったコミュニケーション部分でもアピールできると良いですね。
正社員としての心構え
派遣から正社員へ転職をする場合、派遣とは違った責任感があります。
派遣は指示されたことだけをやれば良いかもしれませんが、正社員は会社に貢献できるよう責任を持って仕事にまい進しなければなりません。
正社員としての心構えがしっかりあるかどうかも、この職務経歴書によって伝える必要があります。
正社員として雇って戦力となる人材かどうか判断されるわけですから、今までの経験の中の具体的なエピソードなどを盛り込むとより大きなアピールとなります。
正社員への意欲が伝わる職務経歴書の書き方
派遣社員から正社員への転職でこの『意欲』が一番大切といえます。
派遣から正社員になろうと思った経緯なども盛り込むと、より意欲的に感じさせることができます。
例えば、「より責任のある仕事にチャレンジしたい」、「正社員になり様々な経験を積み、自分の能力を高めたい」、「正社員として〇〇の業務で会社に貢献したい」など、具体的な考えとともに書くといいでしょう。
正社員になると、派遣とは違い、給与や福利厚生、賞与なども加わり年収もアップし、安定を手に入れます。
「給料が高いから」、「安定した仕事につきたいから」などといった理由は絶対書いてはいけません。
これでは、企業側からは良い印象をもたれません。
実際には待遇面で派遣から正社員を目指す人が多いと思いますが、それについては触れず、仕事面で正社員を目指す理由をまとめましょう。
面接でも、同じ質問をされるでしょうから、予めここでは面接のシュミレーションだと思ってまとめてみてください。
自己PR欄でもアピール
自己アピールが伝わるようにするには、「自分の〇〇な部分を生かして、御社の事業に貢献したい」ということを前面に出します。
派遣から正社員を目指す理由、正社員への意欲そして覚悟なども交えながら、「長く勤務したいこと」や「貢献できるように精一杯努力すること」を伝えるようにします。
採用の担当者は職務経歴書のどこを見て合否を決めている?
派遣社員が正社員に転職をする際に書かれる職務経歴書でよくある失敗は、職歴の羅列です。
ばーっと並べて書いて、それを読む採用担当者からすると、
単に与えられた仕事をこなしてきただけなんだろうな・・・
と感じられてしまいます。
これでは、自分らしさが伝わらない職務経歴書になってしまいます。
まず、職歴を羅列してスペースを埋めようという考えはやめましょう。
採用担当者の目を引く職務経歴書にするには、自分の強みや持ち味、個性を出した職務経歴書を作る必要があります。
派遣社員というと、既存のスキルのみで業務をこなすことが多く、スキルアップや成長を今一つ感じにくいという面もあるかと思います。
ただ、これまで勤務してきた企業のことを思い返してみましょう。
そこで自分が学んだことや成長したことが必ずあるはずです。それを盛り込んで書きましょう。
また、派遣と正社員の大きな違いは、実務スキルだけではありません。
・責任をもって仕事に取り組む姿勢があるか、
・周囲とのコミュニケーションを上手に取りながら円滑に業務を進めていく力があるか
という点もを採用担当者は、意識して職務経歴書を見ていることを忘れてはいけません。
これらを上手に取り入れながら、他の人と差がつく自己アピール型の職務経歴書を作っていきましょう。