現在、転職活動で必須なのが職務経歴書です。
転職が初めての方にとっては”職務経歴書って何?”と思うかもしれません。
例えば、商品のプレゼンをする営業マンにとって、プレゼン資料はとても重要になります。
取引先の企業にどのように商品の良さを説明したら、気に入ってもらうことができるのか。
それと同じように、自分を売り込むためのツールが職務経歴書です。
職務経歴書は、自分という人間の職歴やスキル、能力などをに記入して、アピールするための道具と捉えてください。
うまく企業側に目を止めてもらうことができれば、採用してもらえるチャンスが広がります。
そこで、「是非うちに来てほしい」と思ってもらえたら勝ちです。
職務経歴書は履歴書と違って、決まったフォーマットはありません。
自由に自分をアピールできるものでもあります。
せっかくなら人と違う、目を引く職務経歴書を作ってみましょう。
では、どのように職務経歴書を書けば良いのでしょうか。
職務経歴書の上手な書き方を解説していきます。
企業側が知りたいのはあなたの知識と経験
中途での採用に企業側が求めることは、『知識』と『経験』です。
履歴書の職歴だけでは知ることができないスキルや能力を職務経歴書の詳細な職歴から読み取ろうとしています。
転職ではポテンシャル採用はありません。
企業の求める人材は「即戦力」だと考えておきましょう。
- 業務に適した経験があるか
- 業務に結び付くスキルがあるか
一から教育の必要な新人を採用しているのではありません。
すぐに仕事をこなすことができる人材を求めています。
そのために、職務経歴書に書かれている職歴、経験、スキル等は重要視されます。
まずは職務経歴書で一次選考を通過しなければなりません。
この人に会ってみたいと採用担当者に思わせることがここでのカギとなります。
では実際にどのような点に気を付けて書いたら良いのでしょう。
- 企業側が求める情報を読みやすく記入する
- 業務経験や能力を分かりやすく記入する
抽象的に書くのは良くありません。正確に数字などを使って表すことができる項目があれば取り入れてみてください。
そのほうが読み手もイメージしやすいです。
また、職務経歴書は箇条書きが多いほうがスッキリと分かりやすく、読みやすい文章になります。
適度に改行や行間を入れると良いでしょう。全体的なレイアウトも非常に大事です。
それが読みやすさに繋がります。
読みやすく分かりやすい書類を作ることで、採用担当者からのポイントも高くなります。
また、企業担当者は忙しい仕事の合間に応募書類をチェックすることが多いため、パッと見て、目を引くような書類を作る工夫が必要です。
倍率の高い企業の採用に応募するなら、たくさんの職務経歴書の中から選考を通過するような書類を作らなければなりません。
読みにくい、分かりづらいというだけで弾かれてしまうかもしれません。
だから、慎重に丁寧に言葉を選び、見やすいレイアウトにすることが大切です。
見てもらえる職務経歴書とは
履歴書は手書きですが、職務経歴書はパソコンで作っても大丈夫です。
量としてはA4用紙2枚程度までが良いでしょう。
3枚以上になると採用担当者も読むことが煩わしく思えてくるようです。
ですから、短文で分かりやすく簡潔に2枚以内でまとめましょう。
職歴の多い人もいるでしょうが、希望職種と近い業種の経験があれば、そこは多めに書いて、時系列で古い職歴は端折ってもいいです。
とりあえずパソコンで作るなら、一度、全ての情報を記入してみましょう。
そこで枚数が多くなっても大丈夫です。そこから取捨選択をすれば良いのです。
『職務経歴書=ビジネス文書』
職務経歴書はある種、ビジネス文書やパンフレットとも捉えることができます。
社内文書でも良いですし、客先に宛てた文書でも構いませんが、ビジネス文書を書いているつもりになってまとめてみましょう。
ビジネス文書やパンフレットの特徴として、
要点が簡潔にまとめられているか
ということが挙げられます。
パンフレットはその商品やサービスを分かりやすく紹介しているものです。
お客さんに伝わらなければ、利用してもらうことができません。
職務経歴書も同じで、自分の良さをアピールできなければ採用してもらうことができません。
ですから、職務経歴書も簡潔に分かりやすく要点を絞ってまとめることで、素晴らしい出来に近づきます。
職務経歴書作成の手順
- 職歴を振り返る
いつ、どの企業で、どのような業務をしていたか、また、どのような成果をあげることができたかを振り返って書き出してみましょう。 - 職務経歴書のフォーマット(形)を決める
どのような順序や形で書くか決めます。ネットなどで書式をダウンロードすることもできます。 - 応募する企業に合わせて項目や内容を変える
応募する企業の要項などに企業側が求める情報が記載されています。そこに記載されている内容に関しては職務経歴書に盛り込んだほうが良いでしょう。 - 簡潔にまとめる
A4サイズ2枚以内でまとめましょう。パソコンを利用し、横書きで作ります。
職務経歴書に必須の4つの条件
最初にお伝えしましたが、職務経歴書には決まった書式はなく自由に作ることができます。
だから、他の人に負けない目立つ職務経歴書を作りやすいといえます。
では、どのようにしたら良いのかというと、必ず入れるべき項目が4つあります。
企業によっては、募集の段階で知りたい情報を掲載していることもあるので、それは必ず職務経歴書に盛り込みましょう。
特に企業側から要望がなければ、以下の4つの項目を中心に作成します。
職務内容の要約
簡単に現在までの職務について、どのような業務を担当し、どのようなことをやってきたのか、どのような経験があるのかをまとめたものを記述します。
ダラダラと書かず、簡単に5行程度にまとめるのが理想です。
本で例えるなら、あらすじです。
職務の経歴
先ほどの要約したものと違い、職務経歴は具体的に、勤務先名(どこの職場で)、会社の規模(資本金や従業員数など)、勤務年数、事業内容、自分はどのような部署で何を担当していたのかを明確に記します。
途中、昇級したり、成果をあげたことがあれば、それも年月等と併せて記入します。
自分がその企業で頑張ってきたことが伝わるように、どんなことを任されていたのかアピールする感じで書きましょう。
スキル
前職等で培ったスキルを入れましょう。
資格だけでなく、活かせるような経験や知識、能力等があれば取り入れましょう。
例えば
「前職で〇〇を担当し、△△の業務をしていました。そのスキルを活かし御社の✕✕業務に貢献したいと考えています。」
または、箇条書きで記入しても読みやすいですね。
- パワーポイントでプレゼン用の資料作成
- マーケティング力
- タスク管理能力
このような感じに書いても良いでしょう。
自己PR
最後に自分を自由にアピールしましょう。
まずは、履歴書にも記入しているでしょうが、再度、志望動機も取り入れながら、意欲を伝えましょう。
また、スキルとは違う性格的な部分での長所のようなところを拾いながら、断定的な感じで、
「私は〇〇ができます。」
「常に積極的に業務に取り組みます。」
「前職では〇〇や△△の知識を要するため、学ぶことが多く、とても大変でしたが積極的に取り組んだことで◆◆を始め、◇◇などの知識を得ることができました。」
「〇〇業務は好きですので、前職での経験を生かし、御社の事業に貢献したいと思っております。」
積極的に学んできたこと、取り組んできたことをアピールしましょう。
職務経歴書は筋書き
職務経歴書は面接で基になるものです。
今まで転職をしたことのある方は分かると思いますが、面接の時、面接官の手元には履歴書と職務経歴書があると思います。
そして、面接での内容は職務経歴書がメインとなって質問されています。
ほぼ職務経歴書に記載されている順(先ほど説明した4つの項目順)で質問がくることがほとんどです。
ですから、職務経歴書は面接の筋書きといえるものなのです。
『職務経歴書=面接』
職務経歴書と面接はリンクしているのです。
面接官が聞きたいことはまさに職務経歴書に書かれていることで、面接官が応募者に聞きたいこと(聞くであろうこと)を考えながら書くと、自然に書くべき内容が見えてくるのです。
面接官が質問してくるであろう事柄を考えながら、その回答を経歴書の内容にしてみると、面接でのシミュレーションをしながら書くことができます。
そして、書けたら何度か読み直してみましょう。
修正点や追加点が出てくると思います。
その度に直し、書き込んでいくと、どんどん良質で最高の職務経歴書になっていくはずです。
職務経歴書の作り方も採用担当者は評価するのです。良い職務経歴書を作ることができたらプラスの評価になります。
マイナス評価となる職務経歴書とは?
採用担当者がマイナス評価をする職務経歴書があります。
どのような職務経歴書がマイナスとなってしまうのでしょう。
市販の職務経歴書を使わない
履歴書に付属している職務経歴書や既製の職務経歴書はマイナス評価になりやすいです。
職歴欄のみだったり、他にあっても自己PR欄くらいしかなく、オリジナルに欠けます。
ネットでフォーマットをダウンロードできるものもありますし、作成自体は難しくありません。
ダウンロードしたものを自分らしくアレンジし、オリジナルのものにしていけば良いのです。
職務経歴書はそれが基本です。
そして、どれだけ自分色を出し、上手にまとめることができるかが勝負の決め手となります。
客観性のない職務経歴書
知識や能力、意欲等のアピールはたくさんしているものの、客観的な評価がないものはマイナスになりがちです。
主観的な内容だけの職務経歴書は敬遠されます。
例えば、数字を取り入れることで客観性が増します。また、上司や同僚などから言われた高い評価なども取り入れてみましょう。
「〇〇の成果を上げたことで、会員数が10%増え、利益にも繋がる結果を出すことができました。」
「△△業務の手順の改善提案をしたことによって、作業効率が良くなり、上司や同僚から高い評価をいただきました。」
このような客観的な評価も取り入れながら、自分の職務経歴書を客観的に見ることも必要です。
そうすると、足りないところが見えてくるはずです。
瞬殺される職務経歴書
職務経歴書はA4用紙1枚から2枚以内に抑えるのがベストです。
3枚以上に渡り、ダラダラと書かれていると、まとめるのが下手な人、資料作りのできない人だと思われてしまいます。
職歴が多かったり、キャリアをたくさん積んでいる人ほど、書くことも増えると思いますが、的確にポイントをまとめて簡潔な文章となるようにしましょう。
また、A4用紙半分程度の量だと少なすぎ、無駄に行間をとるとスカスカ感が目立ち、意欲や積極さは感じられません。
そして、経歴だけを記入したような職務経歴書も意欲がない、積極性を感じられないという見方をされます。
自己PRなどで意欲や積極さも前面にアピールすることが大事です。
難しい業務にも積極的に取り組み、乗り越えていく強さのある人を企業は求めています。
職務経歴書の書き方一つで意欲のある人かない人か判断されてしまいます。
バランスの取れた、印象の良い職務経歴書を作りましょう。