退職をすることになったとき心配なのがその手続ではないでしょうか。
普段、会社に勤めているとあまり意識しないかもしれませんが、保険や税金など、私達の身の回りには様々な制度が取り巻いています。
退職した途端、それらを自分でやらなくてはいけなくなるわけですからパニックになりますよね。
この辺の手続きについて、しっかり理解していないと、辞めたあとの会社に何度も出向かなくては行けなくなったり、場合によっては新しい職場の手続が出来ないということも起こりえます。
主に、退職後は以下の4つの手続きをする必要があります。
- 健康保険
- 年金
- 税金
- 雇用保険
どれも私達のお金や生活に関わる重要な制度です。
これらを滞りなく手続きして、今後も維持して行く必要があります。
手続きの方法は、会社を退職する理由によって違います。
今回は、これらすべての退職理由、それぞれに応じた退職手続きについて解説していきたいと思います。
- 自己都合の退職 会社都合の退職
- 定年退職
自己都合退職の場合の手続き
自己都合退職の理由は色々ありますが、
転居のため、
結婚のため、
介護や病気療養のため、
キャリアアップのため、
異業種へのチャレンジ、
待遇への不満、
人間関係が上手くいかないこと、
などなど上げればキリがないのですが、とにかく自分で退職を望む場合のほとんどが自己都合退職です。
一般的に、ほとんどの退職が自己都合退職に当てはまります。
自己都合退職の場合はどのような手続きが必要なのでしょうか。
- 健康保険
- 年金
- 税金
- 雇用保険
自己都合退職の場合、上記全ての手続きが必要になります。
ただ、再就職先がすでに決まっていて入社日がすぐの場合は、手続きの必要はありません。
引き続き、再就職先の企業で入社後、手続きしてもらえます。
入社日まで期間があったり、就職先が決まっていないなら上記4つの手続きをする必要があります。
健康保険の手続き
退職すると、会社で入っていた健康保険から出なければならず、持っている健康保険証は返還することになります。
そして退職後は、他の健康保険に加入しなければなりません。
主に以下の3つの方法があります。
- 任意継続制度を利用する
今まで入っていた会社の健康保険に継続して加入することができます。一旦保険証は返還しますが、任意でそのまま継続して加入することができます。退職前の会社の担当者に任意継続したい旨伝え、手続きしてもらいましょう。保険料は今までの会社負担分がなくなるので全額自己負担です。 - 国民健康保険に加入する
それぞれの市区町村の役場の担当窓口に申込みします。保険料は市区町村ごとに異なります。 - 家族の被扶養者になる
生計を維持している家族の被扶養者になり保険に加入することができます。被保険者の会社を通して加入したい旨連絡しましょう。保険料は必要ありません。
再就職先が決まっていても、入社日まで日にちがあるなら他の健康保険に入る必要があります。
突然の事故に遭う可能性もゼロではありません。
病院に行けば実費となってしまい、高額な医療費がかかってしまいます。
退職後も必ず健康保険に加入しましょう。
年金の手続き
退職前に年金手帳があるか確認しておきましょう。
会社で保管している場合もあります。
手元になければ、退職前にもらっておきましょう。
退職後は国民年金に加入するか、生計を維持している人の被扶養者になる方法があります。
退職日の翌日から14日以内に手続きをしましょう。
国民年金に加入するなら、市区町村の役場の年金窓口で申請します。配偶者が扶養に入っている場合は、扶養者の分も国民年金の手続きが必要になります。
ただし、退職日と同じ月に再就職する場合や翌月に入社が決まっている場合は、国民年金の手続きの必要はありません。
翌月分は、新たな会社のほうで手続きしてもらえます。
税金の手続き
退職後、所得税と住民税の支払いを自分でしなくてはなりません。
まず所得税ですが、年内に再就職しない場合は翌年、自分で確定申告しなければなりません。
確定申告することによって、還付されるケースが多いようです。
年内に再就職が決まっている場合は、新たな会社で年末調整できます。
次に住民税ですが、1月から5月に退職する場合、5月分までを一括で給与から天引きします。
6月から12月までの場合は市区町村から納付書が届きますので、指定された方法で自分で納付します。
再就職先が決まっていれば、新たな会社で給与天引きしてもらえます。
また、退職金についてですが、支給されるようでしたら「退職所得の受給に関する申告書」に必要事項を記入の上、給与担当者に提出しましょう。これをしないと、退職金の確定申告をしなければなりません。
雇用保険の手続き
雇用保険の手続きは、失業給付を受ける際に必要になるものです。
まず、退職前に「雇用保険被保険者証」がどこにあるか確認しておきましょう。入社後に会社からもらっている場合もありますし、会社で保管してくれていて退職時にもらえる場合もあります。
雇用保険の手続きに必要になりますから、探しておいてください。
紛失してしまった場合、再交付の手続きをすれば再度発行してもらえます。会社の担当者にお願いしましょう。
それから離職票が必要になります。これは、退職後の手続きとなるので退職後14日以内に郵送などで届くと思います。
もし、届かないようであれば会社の担当者に連絡しましょう。
離職票が届いたら、できるだけ早く自分の住んでいる地域を管轄するハローワークに行きましょう。
以下の手順で雇用保険の手続きを行ってください。
- 下記の物を持ってハローワークに行きます。
- 雇用保険被保険者離職票1、2(退職後1、2週間以内に会社から送付されます。)
- 身分証明書(写真付きのもの。運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど)
- 証明写真2枚(縦3cm×横2.5cmで3か月以内に撮影したもの)
- 印鑑
- 自分名義の普通預金通帳(給付金を受け取るための口座)
- マイナンバーカード(個人番号が確認できる書類。マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、個人番号の記載のある住民票など)
- まず求職の申込みをします。そのあと失業給付の窓口で手続きをします
- 7日の待機期間が終了し、失業給付を受けられることになったら、受給説明会に行きます。(窓口で説明があります)
- 求職の申し込みから4週間後に最初の失業認定がありますので、指定日時にハローワークにて失業認定を受けます。(その4週間の間に就職活動を行うこと)
- 失業認定後、さらに3ヶ月の給付制限があり、そのあと2回目の失業認定を受けます。そこで認定されて初めて給付が受けられます。1週間程度で自分が指定した口座に失業手当が振込みされます。
- それから再就職先が決まるまで、4週間おきに失業認定を受けると失業給付が受け取れます。(決められた給付日数分まで)
自己都合退職の人の給付日数は90日から最大150日です。
会社都合退職の場合の手続き
会社都合退職とは、会社側が一方的に労働契約を解除し、労働者に退職を余儀なくさせることをいいます。
主に以下のような場合です。
- 会社の経営不振などによるリストラ、倒産
- 会社の移転により通勤が困難になった場合
- 上司、同僚らからのいじめ、嫌がらせ、何らかのハラスメント被害を受けた場合
- 希望退職や早期退職制度によって退職した場合
- 解雇(重大な理由による解雇を除く)
- 労働契約締結時と著しく契約内容が異なる場合
- 給料が大きく減額されたり未払いとなった場合
このような場合は会社都合退職扱いとなります。
では会社都合退職の場合はどのような手続きが必要なのでしょうか。
- 健康保険
- 年金
- 税金
- 雇用保険
上記全て手続きが必要になります。
ただ、再就職先が決まっている場合(入社日がすぐの場合)、は手続きの必要はありません。引き続き、再就職先の企業で入社後、手続きしてもらえます。
入社日まで期間があったり、就職先が決まっていないなら上記4つの手続きをする必要があります。
健康保険の手続き
退職すると、会社で入っていた健康保険から出なければならず、持っている健康保険証は返還することになります。
そして退職後は、他の健康保険に加入しなければなりません。
主に以下の3つの方法があります。
- 任意継続制度を利用する
今まで入っていた会社の健康保険に継続して加入することができます。一旦保険証は返還しますが、任意でそのまま継続して加入することができます。退職前の会社の担当者に任意継続したい旨伝え、手続きしてもらいましょう。保険料は今までの会社負担分がなくなるので全額自己負担です。 - 国民健康保険に加入する
それぞれの市区町村の役場の担当窓口に申込みします。保険料は市区町村ごとに異なります。 - 家族の被扶養者になる
生計を維持している家族の被扶養者になり保険に加入することができます。被保険者の会社を通して加入したい旨連絡しましょう。保険料は必要ありません。
再就職先が決まっていても、入社日まで日にちがあるなら他の健康保険に入る必要があります。突然の事故に遭う可能性もゼロではありません。病院に行けば実費となってしまい、高額な医療費がかかってしまいます。
退職後も必ず健康保険に加入しましょう。
年金の手続き
退職前に年金手帳があるか確認しておきましょう。
会社で保管している場合もあります。
手元になければ、退職前にもらっておきましょう。
退職後は国民年金に加入するか、生計を維持している人の被扶養者になる方法があります。
退職日の翌日から14日以内に手続きをしましょう。国民年金に加入するなら、市区町村の役場の年金窓口で申請します。配偶者が扶養に入っている場合は、扶養者の分も国民年金の手続きが必要になります。
ただし、退職日と同じ月に再就職する場合や翌月に入社が決まっている場合は、国民年金の手続きの必要はありません。
翌月分は、新たな会社のほうで手続きしてもらえます。
税金の手続き
退職後、所得税と住民税の支払いを自分でしなくてはなりません。
まず所得税ですが、年内に再就職しない場合は翌年、自分で確定申告しなければなりません。
確定申告することによって、還付されるケースが多いようです。
年内に再就職が決まっている場合は、新たな会社で年末調整できます。
次に住民税ですが、1月から5月に退職する場合、5月分までを一括で給与から天引きします。
6月から12月までの場合は市区町村から納付書が届きますので、指定された方法で自分で納付します。
再就職先が決まっていれば、新たな会社で給与天引きしてもらえます。
また、退職金についてですが、支給されるようでしたら「退職所得の受給に関する申告書」に必要事項を記入の上、給与担当者に提出しましょう。これをしないと、退職金の確定申告をしなければなりません。
雇用保険の手続き
雇用保険の手続きは、失業給付を受ける際に必要になるものです。
まず、退職前に「雇用保険被保険者証」がどこにあるか確認しておきましょう。入社後に会社からもらっている場合もありますし、会社で保管してくれていて退職時にもらえる場合もあります。
雇用保険の手続きに必要になりますから、探しておいてください。
紛失してしまった場合、再交付の手続きをすれば再度発行してもらえます。会社の担当者にお願いしましょう。
それから離職票が必要になります。これは、退職後の手続きとなるので退職後14日以内に郵送などで届くと思います。
もし、届かないようであれば会社の担当者に連絡しましょう。
離職票が届いたら、できるだけ早く自分の住んでいる地域を管轄するハローワークに行きましょう。
以下の手順で雇用保険の手続きを行ってください。
- 下記の物を持ってハローワークに行きます。
- 雇用保険被保険者離職票1、2(退職後1、2週間以内に会社から送付されます。)
- 身分証明書(写真付きのもの。運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど)
- 証明写真2枚(縦3cm×横2.5cmで3か月以内に撮影したもの)
- 印鑑
- 自分名義の普通預金通帳(給付金を受け取るための口座)
- マイナンバーカード(個人番号が確認できる書類。マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、個人番号の記載のある住民票など)
- 求職の申込みをしたあと、失業給付の窓口で手続きをします
- 7日の待機期間が終了し、失業給付を受けられることになったら、受給説明会に行きます。(窓口で説明があります)
- 求職の申し込みから4週間後に最初の失業認定があり、指定日時にハローワークにて失業認定を受けます。(その4週間の間に就職活動を行うこと)
- 失業認定を受けた後、1週間程度で自分が指定した口座に失業手当が振込みされます。
- それから再就職先が決まるまで、4週間おきに失業認定を受けると失業給付が受け取れます。(決められた給付日数分まで)
会社都合退職の人の給付日数は最大330日です。
定年退職の場合の手続き
定年退職は、それぞれの会社の定めた年齢に達した時、労働契約が終了し、退職する制度です。
法令によって60歳以上と定められており、会社ごとに年齢が決められています。
では定年退職の場合はどのような手続きが必要なのでしょうか。
- 健康保険
- 年金
- 税金
- 雇用保険(退職後も働く意欲がある場合)
雇用保険以外は手続きが必要になります。
退職後も働く意欲がある場合は、雇用保険を含めて上記全て手続きが必要です。
健康保険の手続き
退職すると、会社で入っていた健康保険から外れ、持っている健康保険証は返還することになります。
そして退職後は、他の健康保険に加入しなければなりません。
主に以下の4つの方法があります。
- 任意継続制度を利用する
今まで入っていた会社の健康保険に継続して加入することができます。一旦保険証は返還しますが、任意でそのまま継続して加入することができます。退職前の会社の担当者に任意継続したい旨伝え、手続きしてもらいましょう。保険料は今までの会社負担分がなくなるので全額自己負担です。 - 国民健康保険に加入する
それぞれの市区町村の役場の担当窓口に申込みします。保険料は市区町村ごとに異なり、扶養に入れる人がいるのであれば保険料も変わります。 - 家族の被扶養者になる
生計を維持している家族の被扶養者になり保険に加入することができます。被保険者の会社を通して加入したい旨連絡しましょう。保険料は必要ありません。 - 特例退職者医療制度を利用する
勤めていた会社が組合管掌健康保険で特定健康保険組合に属している場合、特例退職者医療制度で加入できます。保険料は被保険者本人の年収に関わらず一律で、その健康保険組合の全被保険者(特退者を除く)の平均標準報酬月額を月額等級表に当てはめて、該当する等級を超えない範囲と規約で定めた額(等級)で決定されます。主に大企業の組合保険が対象となっています。
再就職先が決まっていても、入社日まで日にちがあるなら他の健康保険に入る必要があります。突然の事故に遭う可能性もゼロではありません。病院に行けば実費となってしまい、高額な医療費がかかってしまいます。
退職後も必ず健康保険に加入しましょう。
年金の手続き
定年退職前に年金手帳が手元にあるか確認しておきましょう。
会社で保管している場合もあります。
なければ、退職前に会社から受取っておきましょう。もし、見つからない場合、会社の担当者に再交付の手続きをしてもらいましょう。
定年退職後、年金を受け取れる年齢になっているのであれば、年金手帳を持って、居住区管轄の年金事務所に行って手続きをします。また、年金をまだ受け取らない場合もいくらもらうことができるのかなど不安なことがあれば窓口で相談しておきましょう。
相談後、受け取ることができるのであれば、請求の手続きをし、手続き後3ヶ月から5ヶ月ほどで自分の口座に振込みされます。
60歳未満の扶養者がいる場合は、その扶養者の国民年金の手続きが必要になります。忘れずに手続きしましょう。
会社が厚生年金基金に加入している場合、厚生年金基金加入員証ももらっておきましょう。
退職後は厚生年金基金から書類が届きます。指示に従って書類に記入し、手続きを進めます。
税金の手続き
退職後、所得税と住民税の支払いを自分でしなくてはなりません。
まず所得税ですが、年内に再就職しない場合は翌年、自分で確定申告しなければなりません。
確定申告することによって、還付されるケースが多いようです。
年内に再就職が決まっている場合は、新たな会社で年末調整できます。
次に住民税ですが、1月から5月に退職する場合、5月分までを一括で給与から天引きします。
6月から12月までの場合は市区町村から納付書が届きますので、指定された方法で自分で納付します。
再就職先が決まっていれば、新たな会社で給与天引きしてもらえます。
また、退職金についてですが、支給されるようでしたら「退職所得の受給に関する申告書」に必要事項を記入の上、給与担当者に提出しましょう。これをしないと、退職金の確定申告をしなければなりません。
退職後のマイナンバーによる処理
現在、個々の行政上必要な手続きを行う際にはマイナンバーが利用されています。
会社に勤務中であれば税金や年金などは会社で手続きされて納めているはずです。
その際に、国民全員1人1人12桁の違う番号を持っており、その番号によって税金や年金の手続き、個人情報も管理されています。
このマイナンバーを使うことで正確にスムーズに確認することができます。
主に使われているシーンはとして
- 社会保障関係の手続き(厚生年金、健康保険、雇用保険など)
- 税務関係の手続き(源泉徴収など)
- 災害対策、災害時など
会社は必要な手続きをする際にマイナンバーを利用します。
では退職後、このマイナンバーはどのように処理されるのでしょうか。
退職したら、すぐに処分されると思っていませんか。
実は退職後も、しばらくは会社のほうでマイナンバーが書かれた書類を保管しています。
これは法律によって保存期間が決められています。
◆雇用保険関係書類・・・・・退職から4年間
◆労災関係書類・・・・・退職から3年間
◆健康保険、厚生年金関係・・・・・退職から2年間
◆税務関係の書類・・・・・翌年1月から7年間
この期間が経過すれば破棄するということです。
会社側が随時チェックしてきちんとこの期間を過ぎたら書類やデータを破棄してくれれば良いのですが、そのままにされていてもし情報が漏洩でもしてしまったら怖いですよね。
国で決められていることなのですぐに破棄はできません。
ただ、マイナンバーはとても重要な個人情報ですから、もし会社側が漏洩などした場合に重い刑罰が与えられます。
・懲役4年以下 または 200万円以下の罰金 または その両方
が科せられ、ひどい場合は、会社名の公表などの処分もあります。